3.地震観測

慶應志木の地震観測

普通科高校としてはかなり珍しいことですが、本校には2種類の地震計が設置されており、それぞれ正常に稼働しています。一つは地震の揺れによって一定の加速度がかかると記録が始まる「強震計」と呼ばれる地震計で、もう一つは文部科学省が推進する『首都圏直下地震防災・減災特別プロジェクト』の一環として設置されたものです。

「強震計」

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東京大学地震研究所とのあいだで、1996年頃から地震観測を行うために、本校の地震計室に強震計を設置するための話し合いが始まりました。東大は首都圏の地震データ収集の一環として、本校は地学教育の一環として実際の観測データを使うために強震計の設置を考えたのです。

理科棟の東端にある地震計室は、1968年の完成当時、気象庁が定めた地震計台設置基準をクリアできる仕様になっており、本校の地下10数メートルの深さにある硬い岩盤に達する鉄筋コンクリート製の杭の上に地震計台が載っています。さらにこの地震計台は理科棟の床面とは切り離されているので建物の揺れと関係なく岩盤の揺れのみを正確に計測できます。

この地震計台の上に、「強震計」と呼ばれる地震計が設置されています。この地震計は、東西・南北・上下のいずれかの方向に2 Gal(ガル:1秒間に1m/sの加速度)を超える加速度がかかると自動的に計測を開始します。そのデータは一時的に強震計内に記録されますが、定期的にUSBメモリに移して東京大学地震研究所に送り、解析してもらっています。2003年に一度、地学準備室でその様子が見られるようにシステム構成しましたが、2011年に現在のような方式に切り替えました。

 

「首都圏直下地震防災・減災特別プロジェクト」

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本校は『首都圏直下地震防災・減災特別プロジェクト』の一環である高精度地震観測網(MeSO-net)の首都圏に296ヶ所ある観測拠点のひとつなっています。2008年の10月、地下20mの観測井に設置された地震計は、微細な地震動も含めてリアルタイムで観測できます。インターネット経由で観測した地震波形から、地震計のそばでラグビー部が活動しているか否かを判断できるほどの精度があります。

この地震計は、2011年3月11日の「東日本大震災」において約2時間にわたり「有感状態(人間が揺れを感じる状態)」が続きました。そして、その後2ヶ月間で収集した地震波形データは広辞苑2冊分程度のボリュームに達します。

さらに、この観測網(MeSO-net)は緊急地震速報を本校に特化した情報に変換し、独自に表示する機能を備えています。本校の事務室に設置されているPCに表示されている専用画面内の日本地図には、地震が発生するとP波とS波を表す同心円がリアルタイムで表示され(実際には若干の遅れあり)、本校における想定震度や揺れが到達するまでの残り時間(秒)も表示されます。

このように志木高は、独自で2種類の地震観測を行っている、ちょっと珍しい高校なのです。

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