ディベート「日本の捕鯨活動の正当性」(3年生物)

「生物と環境」

教育課程表をご覧になってわかる通り、本校の生徒は2~3年時の必修科目「理科」において、「物理・化学」もしくは「生物・地学」のどちらかを選択します。そして、「生物」を選択した場合、授業の中で生物多様性保全の意義などを学ぶ機会があります。ある1つの単元(学習のテーマ)について学ぶ場合、学びの方法は幾通りもありますが、本校ではすでに10年近くにわたり、上記の単元を講義によって学ぶのではなく、ディベートを通じて学ぶ方法をとっています。

ディベートとは、ある公的な主題について異なる立場に分かれ議論することを指しますが、たんなる議論(ディスカッション)ではなく、一定のルールに基づいて説得力を競い合う競技の形で行われることが特徴です。ちなみに、この「ディベート(debate)」という英単語に「弁論・討論」という訳語を当てられたのは慶應義塾の創設者・福澤諭吉です。

今年(2014年)は、3月31日に国際司法裁判所において「日本が南極海で行っている調査捕鯨は、事実上商業捕鯨である」との判断が下されたことを契機に、日本の捕鯨活動継続の可否を問うディベートを展開しました。3年生7クラスのうち、ディベートを行ったのは5クラス。30名前後から構成されるクラスを賛成・反対で二分し、それぞれの立場から議論を戦わせる形を取っています。生徒は夏休み中に環境問題についての情報収集を行い、それをもとに『食文化』『法的背景』『政治的背景』『生態学的解釈』など様々な切り口から数日かけて討論の準備をし、当日は日本ディベート協会が定めるフォーマット(ルール)に則って討論をします。賛成・反対、双方とも遜色のない議論を展開しましたが、結果的には4つの組み合わせ中、3組で反対派が勝利をおさめました。

高校生がディベートを学ぶ意義には次のようなものがあります。

  • 情報リソースの信頼度を常に問うこと
  • 議論において常に多面的な視野で分析を行いつつ、先を見通した展開をすること
  • 成人した時に、自分を取り巻く政治や社会を的確に評価し、将来性と責任ある未来像を描ける政治参加者=有権者となるよう、今から知的鍛錬をしておくこと

本校で学ぼうしている中学生の皆さん。先輩たちがやっている授業には、このようなものもあります。

ディベート風景1【立論】

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ディベート風景2【作戦会議】

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ディベート風景3【ジャッジ】

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議論の流れ

ジャッジが勝敗判断の参考にするために記録しているジャッジシートの例で、討論の流れ(ディベート・フロー)が記録されています。このような情報を参考にしながら賛否両論のいずれのグループが優れていたかを複数のジャッジが判定をしていきます。

ディベート・フローA.pdf

ディベート・フローB.pdf

ディベート・フローC.pdf

ディベート・フローD.pdf

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