3月11日の東日本大震災による津波被害で福島第一原子力発電所が大破し,放射性物質の飛散が大きな問題となって報道されております。被曝について保護者の皆さまにおかれましてもご懸念されていることと推察いたします。

つきましては,本校のこれまでの取り組みと,今後の対応についてご説明いたします。

本校では放射線量についての報道が始まった翌週3月22日より,地上高1mの屋外,地上高4mの屋内の各2か所で毎日4回の定期的な観測を現在でも継続しております。

 【本校敷地内放射線量の推移】

 事故直後の3月中旬にわずか1回ながらも0.28μSv/h[マイクロシーベルト毎時]を記録しましたが,放射線量は3月中に急減し,4月以降は漸減の一途をたどっています。具体的には0.15μSv/h前後の値を緩やかに漸減する方向で推移しています。この値は,文部科学省が屋外活動を制限する判断基準である屋外3.8μSv/hを十分に下回る値であり,屋内の線量も屋外に対して0.01μSv/h以上小さい値を示しておりますので,学校敷地内における授業ならびに課外活動を行う上で特に支障のないレベルと考えております。地表から5cmの深さの放射線量につきましても6月以降継続的に調査を進めておりますが,地上1mでの線量を0.01μSv/h程度上回る範囲に収まっており,報道されている福島県内の一部地域のような注意を必要とする状況にはありません。

 また,プールサイドの放射線量も,線量実測値に対してプール内は0.05μSv/h前後下回る安定した状況を示していること,本校水道の取水地においてヨウ素,セシウムなどの放射性物質が検出されていないこと,降雨後の校内地表付近の線量に上昇が認められないことなどから,内部被曝も含めて特に支障はない範囲であると判断しております。従いまして,プールでの水泳の授業・課外授業も通常どおり行う予定です。

 なお,今後も継続的な計測を進める一方,より確実を期すために土壌や飲料水およびプールの水のサンプルを第三者機関に調査を依頼する準備を進めながら,より一層生徒の安全を確保してまいります。

 保護者の皆様におかれましては,ご理解を賜りますようお願いいたします。

以上

2011.6.10 
慶應義塾志木高等学校
校長 下村 裕