7月2日(水)、上野の東京国立博物館において、2年生の博物館見学会が行われました。見学したのは、6月24日に始まった特別展「台北 國立故宮博物院―神品至宝―」です。

台北の國立故宮博物院は、中国歴代皇帝のコレクションを含む、約69万点の文物を収蔵する世界屈指の博物館です。このうち、青銅器、玉器、書画、陶磁器などの名品、180件あまりが東京にやってきています。生徒たちにとって「面白さ」の分かりやすいものばかりではなかったかも知れませんが、中国文明が何を「宝物」とし、大切にしてきたのかがよく分かる展覧会だったと思います。

当日、博物館は大変な混雑で、展覧会の目玉として注目を集める「翠玉白菜」には、数時間待ちの行列が出来、その他の文物を展示する会場(平成館)にも入場待ちの列が出来ていました。白菜を見ることは難しかったものの、平成館でも最初期の水墨山水画など、日本文化との繋がりや歴史的意義で「白菜」以上に価値あるものが、数多く鑑賞できました。

なお、この見学会には、台北・薇閣雙語高級中學からの留学生10名も、3年生を含むホストブラザーの本校生徒たちと一緒に参加しました。故宮の文物を留学生たちに紹介してもらった後、本館に移動して、今度は本校生徒が案内しつつ、日本美術の歴史を辿りながら、様々なジャンルの作品を鑑賞しました。留学生たちは、奈良時代の写経や仏教儀礼の道具、刀剣・甲冑など、多様な日本美術に興味を持ってくれたようです。

予想以上の混雑で思うように見られないものもありましたが、社会科(世界史)の課題を携えた生徒たちは展覧会を熱心に見学し、台湾からの留学生も大いに楽しんでくれたようでした。

あなたが気に入った展示品は?(課題から抜粋)

  • 草書書譜巻 孫過庭筆 唐時代 垂拱3年(687)
     理由:自分は書道をやっていたが、これだけ長いものを書くのは本当にすばらしいと思ったから。
  • 明皇幸蜀図軸 唐時代 10世紀
     理由:10世紀に描かれてもなお、今にきれいな形で残っており、また唐時代の顔料を多用する技法が日本に伝来してやまと絵といった日本画の源流となっている点で歴史的な重みがあって興味を持ったから。
  • 草書花気詩帖頁 黄庭堅筆 北宋時代 11世紀
     理由:字に縦横の変化があり、一文字一文字が大きく、力強かったから。
  • 刺繍咸池浴日図軸 南宋時代 12~13世紀
     理由:刺繍で波のうねりを表現していて、躍動感があったので興味をひいた。
  • 雲横秀嶺図軸 高克恭筆 元時代 14世紀
     理由:遠くから見ると山は大ざっぱに描かれているように見えるが、近くで見るとびっしりと点描で濃淡が表されていて驚いたから。
  • 青磁弦文瓶 清時代 18世紀
     理由:青磁の色合いが美しかった。器物の湾曲がやわらかい印象を与え、見ていて美しいと感じたから。