2014AUS09.jpg今年もオーストラリアのクイーンズランド州にある私立の男子校Toowoomba Grammar School(トゥーンバ・グラマー・スクール、以下TGS)との交流を行い、8月10日(日)~19日(火)の10日間の日程で2年生6名、3年生6名、計12名の生徒と引率教員3名が交流プログラムに参加しました。

出発日の8月10日は台風の影響であいにくの悪天候でしたが、無事に出発し、9時間のフライトを経て11日早朝にゴールドコーストに到着しました。この日はゴールドコーストからブリスベンに移動し、動物園や博物館などを見学しました。

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渡豪初日とあって、生徒たちはまだ恐る恐るといった様子でしたが、コアラやカンガルーなどの動物たちとじかに触れ合いながら、オーストラリアの空気を感じ取っていたようです。翌12日はブリスベンでの自由行動を楽しんだのち、午後にTGSがあるトゥーンバという町に移動しました。トゥーンバはブリスベンから約130kmほど内陸にあるのどかで自然豊かな町です。気温もゴールドコーストやブリスベンに比べて低く、ゴールドコーストでは日中は半袖で過ごせるくらいの気候でしたが、トゥーンバでは昼間もジャケットや薄手のコートが必要なくらいで、少し内陸に来ただけでこれほど気候が変わるのかと生徒たちも驚いていました。

13日からはいよいよTGS訪問とホームステイの始まりです。まず生徒たちを出迎えたのは、広大な敷地と赤茶のレンガ造りのキャンパス群。2014AUS02.jpgTGSでどんな日々が待っているのか、生徒たちはそれぞれ思いを胸に登校しました。TGSの先生から歓迎の挨拶や説明を受けた後、さっそく各ホストブラザーの授業に参加です。いきなり皆と離れ離れになって授業に参加するということで、生徒たちは緊張の面持ちでした。その後は、志木高生全員で参加する授業だったため、少々リラックスしてきたようではありましたが、まだまだ気の抜けない様子。この日の夕方にホストファミリーとの対面を控えている生徒たちは、ホームステイへの期待と不安でずっと緊張していたのかもしれません。しかし、ホームステイ1日目を終えて翌朝学校に現れた生徒たちは笑顔でした。そして楽しそうに、時には興奮気味に自らのホームステイの様子を報告し合っているのでした。

2014AUS08.jpgTGSではホストブラザーの授業や日本語クラスの授業に参加したり、TGSの先生が志木高生のために用意してくれたオージーイングリッシュやオーストラリアについての授業を受けたりしました。また、「玉入れ」や「台風の目」などの種目がある、日本風の運動会も楽しんだり、校外の施設で室内ロッククライミングやローンボーリングという球技を体験しました。ちなみに、室内ロッククライミングでは志木高生とホストブラザーとでペアになって、一人が登り、一人が地上で命綱をコントロールします。その役目を交代しながら、様々な難易度のコースに挑戦するのですが、ペアに命綱を預けるということは、相手への信頼が必要になります。特に、コースを登り切った後、数メートルの高さから降りる時には、うまくタイミングを合わせながら命綱を握るペアに体重を預けることになり、ペアと上手く息を合わせなければなりません。こうした信頼を要するアクティビティのおかげで、ロッククライミングを終えた生徒とホストブラザーとの距離は、一層縮まったように見えました。

2014AUS03.jpgTGSの生徒たちはみな親切でフレンドリーで、志木高生たちは彼らの人柄の良さに感銘を受けていました。また彼らは家庭において、「ありがとう、お母さん」といった感謝の言葉を惜しみなく口にするそうです。ホストブラザーが家族に感謝の言葉を発しているのを直に目にした志木高生は、その姿勢に深く感じ入ったようで、自分も見習わないといけないと述べていました。この交流プログラムは英語でコミュニケーションをとる楽しさや異文化理解を主な目的としていますが、今回の交流は生徒たちにとって、「ありがとう、お母さん」のように人間として大切なこともたくさん学ぶことのできた、非常に得難い経験になったと思います。生徒たちは18日の朝にTGSを出発し、ゴールドコースト観光を楽しんだ後、19日に日本に帰国しました。帰国日にはまだ日本に帰りたくないと漏らす生徒も多くいました。9月にはTGSの生徒たちが志木高を訪問します。TGSの生徒たちにもぜひ日本で素晴らしい経験をしてもらいたいものです。そして、このプログラムの参加生徒にとって、今回の経験が世界へ意識を向けたり、国際感覚を養ったり、英語力に更なる磨きをかけたりする良いきっかけとなることを望みます。

最後になりますが、今年からTGSに3週間滞在するというプログラムが始まり、3年生1名が、今回の10日間のプログラムに先駆け、TGSに滞在していました。以下は3週間プログラムに参加した生徒の声です。

2014AUSSeki.jpg「モーニングティーや昼休みの時間は決まってラグビー場の前のベンチに10人ほどで集まっていました。TGSでは日本でいう小学校、中学校、高校が一緒になっていますので皆幼ななじみ同士でとても仲が良かったです。私は3週間という短い間だけ彼らと過ごしましたが、仲間として温かく受け入れてくれて、話したり冗談を言ったりと楽しい時間を過ごすことができました。つらいこともあった留学でしたが、たくさんの友達に恵まれました。英語が拙い私でしたが、彼らの話を聞いたり、彼らと話したりしたことが英語力の向上にもなりました。英語力の向上は、やはり聞くことから始まるのだなと実感しました。そのためにも、自分と同年代の人たちがどんな表現の仕方をしているのかということは大変重要で、それは実際に生きた英語を聞く以外、どんな教科書でも体験できません」

このように、参加生徒とって大変有意義な経験となったようです。本校の国際交流も着実に広がりを見せています。今後も生徒たちに多くの国際交流の機会を提供していきたいと考えています。