「gentleman & gentleman!」

  司会の森山教諭によって口火が切られた、2014年9月19日の1年生対象の芸術鑑賞。今回は、国内外で活躍されている「英語落語」の先駆者、桂かい枝(かつら かいし)氏を朝霞市民会館にお招きして開かれました。ちょうど来校したばかりのオーストラリアの国際交流提携校toowoomba grammar schoolの皆さん(生徒15名・教員2名)も参加され、時折はさむ英語を介して日本の伝統芸能である落語を楽しみました。

  前座に立ったのは、瀧川鯉○(たきがわ こいまる)氏。はじめて落語に接する者も多くいましたが、謎語「てんしき」をめぐって各人が勝手気ままに解釈するという話に、自然と笑い声が大きくなっていきました。和やかな雰囲気ができあがったところで、いよいよ桂かい枝氏が登壇。

  「枕」ですぐさま生徒の心をつかみ、古典的なものから現代的なものまで次々にかい枝氏の話芸は広がりを見せました。どの話になっても笑いが納まることがなく、生徒の目も耳もかい枝氏から離れることはありませんでした。

  途中、落語の入門的な解説があったり、アメリカ公演の様子がスクリーンを通して紹介されたりと、生徒はもちろん、はじめて日本の伝統文化と直に接する留学生の皆さんにもわかりやすい構成になっていました。

 最後は生徒参加のコーナー。志木高生、留学生1名ずつかい枝氏の隣に座り、ユーモラスなやりとりを見せてくれました。また、この日のために英語による小噺を仕込んできた生徒4名が舞台に上がり、その成果を披露しました。なかなかレベルの高いもので、その面白さはむしろ留学生の皆さんの方に伝わったようです。笑いっぱなしの1時間半は瞬く間に過ぎ、名残り惜しくもここでお開きとなりました。

 落語にしても、歌舞伎にしても、日本の芸能は演者と客(聴者)が一体化することによって「舞台」が作られていくという一側面を持ちます。演者が一方的に表現するだけでは芸能は成り立たず、客は間(あい)の手を入れたり、屋号を呼びかけたり、笑いたいときに笑ったりなど、両者による表現の交換がなされ、「舞台」が作られます。そういった意味においても、今回の「英語落語」は会場に一体感が生まれ、正当な伝統芸能たり得ていたと思います。これを機に寄席に通う粋な者が出てくれば喜ばしいかぎりです。

  桂かい枝氏、瀧川鯉○氏をはじめ、ご協力をいただいた方々に感謝を申し上げます。

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