各界で活躍される著名人をお招きし、これまで数々の名演説が繰り広げられてきた伝統行事「志木演説会」。通算117回目となる今回は、2014年12月5日、慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールにて開催されました。講師はフリーアナウンサーで、本校のOB会長も務めておられる松下賢次氏。『豊かな発想』という演題を掲げ、親交の深いイチロー選手やご自身の師と仰ぐ石井智アナウンサーなど、一流のアスリート・文化人・学者らの逸話を披露され、独自の発想力を持つことの重要性を説かれました。

 キーワードとして用いられたのは3つの「視る」でした。すなわち、『視野』を広げるということ、立場を一つに限定しない『視座』で物事をとらえるということ、そしてどこに『視点』を向けるかということ。普段テレビやラジオなどマスメディアから情報を得ることの多い私たちにとって、その情報のまさに「生」の場で活躍されて来られた松下氏のお話は非常に興味深いものでした。またユーモラスな語り口に終始和やかな雰囲気で聴き入ることができました。質疑応答コーナーでは滑舌が悪いことを苦とする生徒にアドバイスを送って下さるなど、当意即妙なお答えを頂きました。生徒にとっても、教員にとっても、プロフェッショナルの語りに魅了された、収穫の多い志木演説会となりました。

 この場をお借りし、松下賢次氏に厚くお礼を申し上げます。 

 講演の後は、冬の志木演説会の風物詩ともいえる、3年自由選択「芸術A」の履修者による合唱が披露されました。複雑で難易度の高い楽曲に対して高低の幅をしっかり効かせ、強弱を付けたり、口笛を入れたりと、授業で取り組んできたことが見事に発揮され、会場から拍手喝采となりました。校内に合唱コンクールの類いがない本校にとって、彼らの懸命に歌う姿は、改めて歌というものの素晴らしさ、そして一生懸命になることの素晴らしさを感じさせてくれるものとなりました。 

 次回の第118回志木演説会は来年の7月を予定しています。

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