2015trip2nd11.jpg9月29日(火)~10月2日(金)の3泊4日をかけて、今年も諏訪・糸魚川に於いて理科研修が行われ、先日無事に帰京しました。諏訪入りのA・D・F組は、初日に野辺山宇宙電波観測所とクリーンレイク諏訪(浄水施設)を訪ね、二日目に諏訪湖を中心に木崎湖・青木湖も合わせた水質調査を実施。三日目に黒部ダムを訪ねた後に糸魚川市の弁天岩にて地学実習を行い、最終日の午前中いっぱいを糸魚川ジオパークでの地学実習にあてて、午後には糸魚川市を後にしました。糸魚川入りのB・C・E組はこの行程を逆に遡って実施しました。

2015trip2nd08.jpg今年度は、善光寺参詣のかわりに黒部ダム訪問を行程の中に組み込みました。黒部ダムは、NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられたようにその建設は難工事を極め、その主たる原因は「破砕帯」と呼ばれる花こう岩帯の中に挟み込まれた破砕岩石の層から流出する膨大な量の地下水です。この困難を乗り越えて1963年、総貯水量約2億㎥、最大時の発電力335,000kWを誇るアーチ式ドーム越流型ダムとして完成しました。これらの事はいずれも、「黒部ダム周辺を構成する岩石は?」「黒部湖に溶け込んでいる酸素の総重量は?」などの理科研修の課題を通して学ぶヒントとなっています。

トロリーバスに乗って訪れた山奥に築かれた、他を圧倒する物量で迫る黒部ダム。そこから放流される水流の激しさ。いずれもヒューマンスケールを超えた感動を呼び起こしてくれるものでしたし、ただの研修とは異なる次元で生徒の胸中に何らかの思い出が刻まれたことを願っています。

2015trip2nd10.jpgまた、今回初めて北陸新幹線を利用しましたが、JR糸魚川駅では到着時と帰りの発車時には改札口外の大型ディスプレイにそれぞれ歓迎と帰りの無事を祈る本校宛のメッセージが表示されていました。それに気がついた生徒は少しは感動してくれたのではないでしょうか。

南三陸で行われていた理科研修が、東日本大震災を機に諏訪・糸魚川に移され5回目を迎えました。内容としてはようやく一つの形が見えてきた感があります。これからもこの研修に参加する生徒が多くの事を自ら学んでくれることを願ってやみません。

 

研修の一コマ