3月19日(日)、清家篤塾長をはじめ多くの来賓をお迎えして、慶應志木の森20周年記念式典、植樹祭を催しました。以下に、志木の森運営委員会副委員長の田中秀磨君による報告を掲げます。

 3月17日(金)から20日(月)にかけて春の志木の森ツアーが開催されました。参加生徒は、志木の森運営委員長の石岡拓途君(3年)を中心に13名(うち1年生2名、2年生3名、3年8生名)となりました。前回のツアーと比べ少人数でしたが、志木の森ツアー20周年ということもありとても充実した4日間でした。また、天気も全日晴天と、穏やかなツアーとなりました。

 初日は、新幹線などを利用して新宮駅まで行き、熊野本宮大社、熊野速玉大社に参拝しました。熊野本宮大社、熊野速玉大社は、熊野那智大社を合わせて熊野三山といいます。熊野の「熊」という字は、「目の隈」というように何かの縁(ふち)という意味があるそうです。昔の人にとって熊野一帯は地の果てであり、信仰の対象になりやすかったのです。その後、一路バスで宿舎である「語らいの里噺野」へ向かいました。

 二日目はまず、志木の森ツアー恒例の瀧原宮(皇大神宮(伊勢神宮内宮)の別宮のひとつ)に参拝したのち、志木の森深山に向かいました。そこで、いつもコーディネーターを務めてくださっている吉田正木さん(塾員・吉田本家山林部代表)による森についての講義を受けました。また、翌日の来賓視察に備えて生徒総出で深山付近のゴミ拾いを行いました。その後、志木の森里山に向かいました。里山ではまず食事をとり、翌日に行われる植樹祭の準備のために苗を植える穴を掘りました。夕方、宿舎へ戻り鹿肉のバーベキューを行いました。お米はリピーターの諸君が飯盒を用いて上手に炊いてくれました。バーベキューも飯盒炊飯も木炭や薪を用いて調理しました。ガスや電気を用いない調理は現代に生きる私たちにとって、貴重な経験ではないでしょうか。

 三日目は、志木の森ツアー20周年記念式典がありました。会場である大宮小学校に移動した私たちは、式典班と植樹祭班に分かれ各自会場の設営をしました。午後からは、記念式典、植樹祭、記念フォーラムが行われました。記念式典では、髙橋校長に始まり、生徒代表である石岡拓途君(3年)、清家塾長の順に挨拶が行われました。植樹祭では清家塾長や長島元常任理事、長谷山常任理事がサクラの苗を植樹をされました。また育林友の会の方をはじめとするご来賓や、各学年の生徒代表がクヌギの苗を植樹しました。ここで植えた苗木が後輩達に受け継がれどのように成長を遂げるのか今から楽しみで仕方ありません。記念フォーラムでは志木の森委員会委員長の石岡君、副委員長の田中秀磨(2年)が「写真で見る志木の森の20年」という発表をしました。その後地元の林業家でもあり、志木の森ツアーにて森の見学させてもらうなど、深く協力していただいている速水林業の速水亨氏に基調講演をしていただきました。森の基本的な説明に加え、世界の森の話をしていただき、森の偉大さを再確認することができました。また、速水氏に司会をお願いして、長島元常任理事、長谷山常任理事、渡部常任理事による対談をしていただきました。ここでは、志木の森ができた経緯や各理事の志木の森のこれからに対する思い、期待などを語っていただきました。40分という短い対談ではありましたが、とても濃密な時間でもありました。噺野へ戻った私たちはそこで前北教諭の指導のもと句会を行いました。志木の森ツアーならではの俳句も登場し、とても楽しい句会となりました。

 最終日は、伊勢神宮の外宮、内宮に参拝し、その後自由行動で周辺を観光しました。

 次回の志木の森ツアーは夏季休業中を予定しています。