このたび、本校2年生の福山航生君が、日本歌人クラブ主催の第15回全日本学生・ジュニア短歌大会(高校生・大学専門学生の部)で、主要4賞の1つである毎日新聞社賞を受賞しました。福山君が応募した短歌を紹介します。

受賞作品

 千倍で覗けばぞぞぞぞぞぞぞと蠢いているシャーレの無音

 福山君は、1年次の国語の授業で穂村弘以後に登場した萩原慎一郎・斉藤斎藤・阿波野巧也の短歌について学び、自分でもさらに様々な現代の歌集を手に取って、作歌することに強い興味を持ちました。2年次では、大和言葉を用いた和歌作りの授業や、伊勢物語の授業も受けて、「うた」の歴史に見聞を広げているところです。

 選者の小島なお氏からは、「未知が既知になったそのときから、作者の世界は千倍よりももっと膨らんで、途方もなく広がってゆきます」と評されました(詳しくは日本歌人クラブ公式ウェブサイトをご覧ください)。本校や校外での多様な学びのなかで、福山君の観察眼と表現力は、今後、さらに育まれていくことでしょう。

 福山君からの受賞のことばです。

 短歌を作るようになってから、普通なら忘れてしまう微妙な心の変化を言葉として残せるようになりました。いま私は57577の無限の可能性に目を奪われていますが、作歌を続けることで自分にとって譲れないひとつの価値を見つけていきたいです。

 今回頂いた賞をスタートラインとして、これからも自分の表現を追究しようと思います。最後に、私が短歌に興味を持つきっかけを作ってくださった国語の先生に感謝申し上げます。