2022年12月9日(金)、三田キャンパス西校舎ホールにて、第133回志木演説会が開催されました。今回の講師は、ビジネスプロデューサー、クリエイティブディレクターとして活躍し、BBT大学経営学部教授や複数の省庁にて有識者を務める等、30以上の肩書きをお持ちの谷中修吾氏。「イノベーターの超絶まちづくり」という演題で、非常に熱のこもったお話をしていただきました。

 現在、華々しく精力的に活躍されている谷中氏。ですが、高校時代は「自分は何者か」「人生とは何なのか」ということに深く悩んだそうです。受験モードの周囲に違和感を抱き、高校3年生の時に受験・進学を中止。そこから自己との対話を通して、昔の自分がやりたかった「人と自然の持ち味を生かす『まち』をつくりたい」という志を思い出していった道筋は、生徒たちの心に深くしみるものでした。

 その後、慶應義塾大学総合政策学部に入学すると、19歳で創業。自分の構想を実現するために、どのようなスキルが必要なのかという視点から、多くのサークルやバイトを掛け持ちして必要な経験を身に着け、専門的なスキルを活かして学生のうちから活動の幅を広げていく様子は、まるで映画を見ているようにワクワクしました。

 「意志を持つと道が拓けた」というお言葉は、これから将来を歩んでいく生徒たちにとって、どれほど心強かったことでしょう。

 谷中氏は、1か月で実現させたというアバター卒業式や、学生時代から携わっているアンダーアーマーとの仕事など、数々の魅力的な取り組みを紹介しながら、「スペシャリスト志向」と「ゼネラリスト志向」の違い、「コンサルタント型」と「イノベーター型」の特徴、スタートアップやマーケティングの話題、イノベーターにとって大切なこと、地方創生やまちづくりのことなど、分かりやすく説明してくださいました。

 「誰もやっていないことを、まずは自分でやってみる」

 「自分でやったことがあるから、人に響いて仲間が集まる」

 「人生は、日々、新しいことに挑戦するチャレンジシリーズである」

 谷中氏の語る言葉は、自身で実践してきたからこそ力強く、希望に満ちていました。

 生徒たちは目を輝かせて聞き入り、時に笑いが起き、質疑応答では多くの質問が寄せられ、充実した演説会となりました。この場を借りて、谷中氏へ深い感謝を申し上げます。

 演説会の後には、台湾の薇閣雙語高級中學とのオンライン国際交流に参加した生徒から実施報告の発表、3年自由選択「芸術A」履修者による合唱の披露がありました。どちらの発表も、生徒たちの努力の跡が窺える素晴らしいものでした。今年の合唱では、ベートーヴェンの交響曲第9番にも挑戦しており、ソロパートを歌う生徒たちの勇姿やみんなで作り上げる歌声には感極まるものがありました。

 今年度の全校行事はこれで終わりです。進学を控えた3年生にとっては、志木高生活最後の行事でしたが、思い出に残る良き日になったことと思います。