2025年6月30日(月)、2年生の学年行事として、OBの学生歌人・福山ろか君(慶應義塾大学法学部政治学科3年生)に現代短歌作りを学び、生徒主体の歌会を開きました。

 福山君は本校での授業をきっかけに作歌を始め、高校3年次に「さえずりに気づく」50首で第68回角川短歌賞次席、大学1年次に「眼鏡のふち」50首で第69回角川短歌賞次席、「白昼」30首で第35回歌壇賞次席となり、現在、様々なメディアで活躍しております。

 会場は光彩館2階ホールで、まず、福山君の3年次担任だった河野文彦校長から、当時の授業で福山君が執筆した短歌論が紹介されました。

 福山君の講演では、自作の解説や作歌の方法、短歌のコミュニティや愛唱する歌の紹介、短歌世界の探り方をめぐるレクチャーがありました。同じ空気に育まれた先輩がどのように歌に向き合ってきたのか、生徒は熱心にメモを取りながら傾聴していました。

 続いて、事前に送付していた生徒作品についての講評です。スクリーンに歌と作者名が映し出されるたびに、生徒たちからは大きな歓声があがっていました。福山君は、各作品の長所と改善点を丁寧に示し、また、質問にも真摯に答えてくれました。

 いよいよ歌会です。福山君に教わったポイントを意識しながら、生徒たちは事前に作っておいた短歌2首を推敲します。その後、全8クラスが混ざった15グループに分かれて各会場に移動します。お互いの歌を紹介し、時間をかけて鑑賞し議論して、生徒たち自身によって、福山君に講評してもらいたい歌を選んでいきます。

 ホールに戻った後は、再び講評の時間です。福山君のコメントに続いて、歌の作者にマイクが渡されます。どのような思いを託したのか、工夫した点はどこなのか、誇らしく、時に飄々と語る生徒たちの姿が印象的でした。打ち解けた雰囲気の中、本校の先輩だからこそ聞けるような質問も飛び出し、笑いやどよめきが起こっていました。

 最後に福山君から挨拶があり、光彩館に大きな拍手が鳴り響きました。今回の貴重な機会を通じて、生徒たちの短歌への理解や関心、作歌することの愉しさが、一層深まっていったことと思われます。