5.「牧童」の像
志木高にはいくつかの彫像がありますが、今回は体育館の前庭にある「牧童」の像についてご紹介します。
広く親しまれる「牧童」の像

また、志木市内のロータリークラブにより、クラブ創立25年記念の一環として、「志木市、街かど美術館」と銘打って志木市内の記念碑、彫刻などを紹介するロードマップが作成されました。そこには「牧童」も紹介されていて、「牧童」は生徒だけでなく市民からも広く親しまれています。
作者峯孝ともう一つの「牧童」

「牧童」はもともと北海道のイメージを小さなブロンズの牧童像で表現したもので、1955年に個展に出品されました。その後、北海道の酪農関係者の要請によって野外設置用の像として制作され、1956年に札幌大通公園に「牧童」像が設置されました。これは志木高の「牧童」と同一鋳型から作られたもので、志木高の「牧童」の兄弟像とでもいうべき存在です。それから26年後、躍動感溢れるこの像は高校生にふさわしいという理由で選定され、志木高にやってきました。「牧童」の台座には制作年である「1956」と彼のサイン「T.Mine」の文字が記されています。

なお、札幌の「牧童」は北海道の牛乳生産量が100万石(約20万トン)を突破したことを記念して設置されたもので、終戦後の札幌大通公園に建立された彫刻の第1号でした。同じ「牧童」が志木高と札幌にあり、どちらも畜産に関連している、二つの「牧童」を介した志木高と札幌のつながりはなんともロマンを感じさせます。
【参考文献】
- 『慶應義塾志木高等学校研究紀要』39,慶應義塾志木高等学校,精興社
- 『志木高五十年』,慶應義塾志木高等学校,精興社
【画像・情報提供】
- 札幌彫刻美術館友の会 http://sapporo-chokoku.jp/