bunraku3.jpg12月15日(月)に2年生が国立劇場主催の文楽鑑賞教室に参加しました。観劇したプログラムは『二人三番叟』、『解説 文楽の魅力』、『絵本太功記 尼ケ崎の段』です。生徒は、事前学習として国語の授業で文楽のDVDを観たり、文楽の大夫が主人公として登場する小説『仏果を得ず』(三浦しをん著)を読んだりして、この鑑賞教室に臨みました。

『二人三番叟』は天下泰平を祈る『寿式三番叟』という演目の一部分を取り上げた作品で、三番叟という二人の登場人物が時にコミカルに、時に力強く舞います。この演目では複数人の大夫、三味線がずらりと並び、華やかな舞台となっていました。

続く『解説 文楽の魅力』では、大夫、三味線、人形遣いそれぞれの技芸員から説明がありました。大夫は一人で全ての登場人物を語ります。そこで解説では、男女の語り分けや行儀のよい子供とそうでない子供の語り分けの実演があり、いきいきとした人物造形の妙技を垣間見ることが出来ました。三味線も場面や状況によって弾き分けをしているということで、人物が登場するシーンによく弾かれる節(メロディー)を例に、キムタクが駆けてくるバージョン、アントニオ猪木が駆けてくるバージョンの弾き分けを実演してくれました。親しみやすい例に観客からは笑いが起こりました。そして人形の解説では、人形をどのように動かすのかというお話や人間らしく生き生きと動かすための工夫などのお話があり、生徒たちは感心した様子で聞き入っていました。

bunraku2.jpg『絵本太功記 尼ケ崎の段』では、信長を討った明智光秀(作中では武智光秀)をめぐる悲劇が描かれています。光秀の母さつきや息子十次郎の振り絞るように切々と訴える死に際の様子、それに心動かされる光秀。力の籠もった大夫の迫真の語り、張り詰めた三味線の音、人形の大胆で繊細な動きが重なり、物語に引き込まれていきました。

多くの生徒が文楽を鑑賞するのは初めてのことでした。これを機会に文楽に興味を持つ生徒が増えることを、そして、自国にどのような文化があるのかきちんと理解し、伝えられる生徒が増えることを望みます。