12月11日(金)、慶應義塾大学三田キャンパス(西校舎ホール)において、第119回志木演説会が行われました。

 今回の演説会は、戸山芳昭氏(慶應義塾大学医学部教授/慶應義塾常任理事)を講師にお迎えして、「超高齢社会における日本の医療――慶應医学の取り組み」と題してご講演いただきました。

 戸山氏は本校の19期卒業生でもあり、講演冒頭の自己紹介では、サッカー部に所属した高校時代の思い出についてお話し下さいました。続いて、厳しさを増す日本の経済状況から、日本と世界の人口動態、平均寿命・健康寿命や医療の現状まで、豊富なデータをグラフで示しながら、分かりやすく解説していただきました。

 慶應が継続して行っている百寿者(100歳以上の高齢者)調査からは、健康で長生きするための因子について具体的にお話し下さいましたが、特に強調されていたのは、煙草は絶対によくないということ。戸山氏の仰るとおり、生徒たちには、20歳を過ぎても生涯すわないでほしいと思います。また、健康で長生きしている高齢者には高校の成績が良かった人が多い、という調査結果には特に会場が沸きました。

 慶應医学の取り組みについては、2017年に100周年を迎える医学部の歴史に簡単に触れた後、百寿研究や食に関する科学的研究、iPS細胞による再生医療などを挙げられ、最新の研究動向についてもお話し下さいました。

 講演の最後には後輩たちに向けて、多様な視点からアドバイスをいただきましたが、特に「若いうちは迷ったら自分にとって大変な方、辛い方を選びなさい」というメッセージは、ちょうど進路に悩んでいる3年生にとって、貴重なアドバイスになったのではないでしょうか。戸山氏は予定の時間いっぱいまでお話し下さった後、サッカーと勉学とに励んだ高校時代の原動力は何だったのかなど、生徒からの質問にも丁寧に答えて下さいました。

 講演の後、オーストラリアのトゥーンバ・グラマー・スクールから本校を訪れている留学生2人に、英語と日本語による自己紹介スピーチを披露してもらいました。

 最後に、毎年恒例となっている自由選択科目「芸術A」の選択者による男声合唱の発表がありました。「Sound Celebration」「今年」「いざ起て戦人よ」「慶應義塾塾歌」の4曲を披露してくれましたが、今年は指揮・ピアノ伴奏・司会のすべてを生徒が担当し、完成したステージをみせてくれました。


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