本校の防火用水では、1993年に初めて抱卵が確認されて以来、実に23年にわたってカルガモが飛来しては抱卵する、という営みが繰り返されています。残念ながら途中、カラスに襲われるなどして1羽も巣立てなかった年がありますが、ここ数年は数羽ずつながらも確実に巣立って行っています。そして、巣立ったヒナたちがパートナーを見つけて、再び本校の防火用水を訪れているようなのです。本校のように遅くまで人の出入りがあって天敵の少ない営巣地は、カルガモの中ではかなり「優良物件」らしく、毎年、何組かの番いにより巣箱の奪い合いが行われてきました。そこで、今年は巣箱を2セット用意してみたところ、その双方で別々の番いが抱卵を始めました。

5月14日(土)の早朝、一つの巣箱から7羽のヒナたちが初めて外の世界に泳ぎだしました。産毛に包まれたヒナが親の後をついて泳いでいく姿はとても微笑ましいですが、数日もしないうちにそれぞれの個性がはっきりと表れるようになります。池の隅を探検するヒナ、餌の残りをひたすら食べているヒナ等々、人の子供を見るようで見飽きることがありません。そして、5月27日(金)の昼過ぎ、もう一つの巣箱から11羽のヒナが登場し、一気に賑やかになりました。最初に生まれたヒナたちのうちの1羽が途中で行方知れずになってしまったため総勢17羽ですが、志木高の防火用水池はしばらく賑やかな鳴き声に包まれそうです。

カルガモのヒナたち