2016年7月4日、1年生が国立劇場主催の歌舞伎鑑賞教室に参加しました。はじめに、坂東新悟(ばんどうしんご)丈による「歌舞伎のみかた」の解説を受け、歌舞伎の基本的な知識を得たところで、『卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)』を観劇しました。

 ――伐採される柳の木を救った男と、柳の下で茶屋を営む女――。 縁あって結ばれた二人でしたが、実はこの女の正体は・・・? この作品は、「異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」と呼ばれる、人間が人間以外のものと結婚する不思議な物語です。これは昔話や説話によく見られる、伝統的な話型の一つといえます。見た目の派手さはありませんが、夫や子との別離など心情面でひしひしと伝わってくるものがありました。特に大人が集団で曳いても動かぬ柳の木を、幼き息子が一人で曳き始めるという最後の場面には、心が大きく揺さぶられました。

 当日は台湾からの10名の留学生たちも一緒に鑑賞しました。お互いに日本の伝統芸能を味わうことができ、有意義な国際交流の場を築くことができました。