6月29日(水)~7月5日(火)の7日間、台湾にある私立学校、薇閣雙語高級中學(Taipei Wego Private Bilingual Senior High School、以下Wego)の生徒10名と、引率教員1名が来日し、本校との国際交流プログラムに参加しました。

 Wego生徒は訪問期間中、本校の授業に参加し、部活動も見学することで、日本の高校生の日常生活を体験しました。カレーパーティなどのさまざまなイベントには多くの志木高生が参加し、高校生同士の交流を深めていました。また、ホストブラザーの生徒たちは歌舞伎教室や茶道体験、休日の家族との時間を通じて日本の文化に対する理解を深めてもらうことに努めました。生徒たちはWego生徒たちと生活を共にすることで、新たな視点で日常の景色を再認識したようです。

 Wego生徒が来日する前は、英語でコミュニケーションを取ることに恐れを感じていたホストブラザーが多かったのですが、この1週間で彼らの恐れは英会話の上達の実感に変化しました。50人の応募者から選ばれた10人のWego生徒は皆、礼儀正しく、ホストファミリーになっていただいた家族の方々も、貴重な体験ができたという充実感を感じておりました。

 この1週間は、ホストブラザーとなった志木高生やWego生徒にとって思い出深いものになったようで、7月5日の離日時には、羽田空港で別れを惜しんで涙する生徒たちの姿が見られ、Wego生徒は名残惜しそうに台湾への帰途につきました。

 卒業後、慶應義塾大学への進学を希望するWego生徒もおり、彼らが大学のキャンパスで再会できれば、喜ばしい限りです。

 

生徒の声:台湾の生徒との交流で得たもの

 この度、6月末から約1週間にわたって薇閣雙語高級中學の生徒をホームステイ先として受け入れることとなりました。初めは、家族ともども一体どうなることやらと期待や不安で胸がいっぱいになりながらその時を待っていましたが、あっという間の1週間が過ぎた今、充実感と少しばかりの喪失感を抱えてこの1週間を振り返っています。

 まず、国際交流の意義とはなんでしょうか。互いの価値観を知ることでしょうか、それとも未来の世界のために議論を交わすことでしょうか。僕が今回感じたことは、まず、友達になるということです。少し幼く聞こえるかもしれませんが、気が置けない関係を築くということは信頼関係の基礎となります。今の僕たちは外交官でもなければビジネスマンでもありません。互いに一高校生として純粋な友情を結べたことに大きな意義を感じました。浅草で日差しの中を食べ歩いたり、明治神宮の鳥居の前で集合写真を撮ったり、このような何気ないことが僕たちの大切な思い出となりました。

 では、今回の経験を通じて僕が得たものとはなんでしょうか。確かに文化の違いまたは共通点による驚きや発見、留学生と家族との団欒などたくさんのことが挙げられます。しかし、一番の収穫は今後の学習へのモチベーションを獲得したことだと思います。わかりやすいのは英語をもっと勉強しようという動機付けになったということです。僕の場合、日常会話には困りませんでしたがそれ以上の表現、例えば普段何気なくしている雑談や冗談など人と話す上でとても重要なことが十分にできなかったと思います。相手の子のおしゃべりに圧倒されたのもその一因かとは思いますが、訪台の際にもっとたくさんの思い出が作れるよう勉強したいと思います。また、英語以外の言語にも視野が開けたのは大きな収穫といって良いでしょう。仲良くなるにつれ、相手の中国語の会話にも加わりたいという強い思いも芽生えてきました。このように、言語のみならず自分の将来に対して様々な動機付けを得たことは今回の経験で得た貴重な財産です。

 最後に今回のプログラムを導いてくださった先生方、誰よりも両親に感謝を述べつつ9月の訪台を心待ちにしています。再見!!

(2年 白戸岳君)