3月19日(日)及び20日(月・祝)の2日間、志木市民会館パルシティにおいて、器楽部の第18回定期演奏会が開催されました。両日とも昼夜2公演ずつの4公演で、合計3,000名の来場者にお越しいただきました。そのリハーサルから本番までを新聞部写真班の生徒たちが取材し、写真とあわせて記事にしてくれたので、以下に掲載します。

器楽部の生み出す音楽とは!

皆さんは志木高の器楽部の演奏を見たことがあるだろうか? 私は志木高生として一年間過ごしてきたが、器楽部の活動を見たのは体育祭の時ぐらいのもので、活動を見る機会は少なかった。しかしながら器楽部は多くのコンクールで賞をとっており、活動を見る機会が少なかったのは、単に私が不出来な学生生活を送っているからかもしれない。前置きはこのくらいにするとして、この記事は新聞部写真班に所属する私が、器楽部の3年生最後の演奏会である定期演奏会をリハーサルから本番まで通して目にすることで得た感想を記したものである。

まず、リハーサルから見させてもらうということは非常に貴重なものだったと思う。リハーサルを見る前、私としては舞台の設営や予行演習を見て写真を撮らせてもらうものと思っていた。これは間違いではなかったが、実際に目にした予行演習は私の想像を超えたものであった。器楽部のステージは楽器の演奏に加えて劇も入れたものであり、演奏をバックに従えた劇は一朝一夕にはできないものであった。リハーサルでもその劇を見させてもらったが、演奏と合わせるとなると、セリフのタイミングや照明係との連携など難しい場面が増えると思った。実際に、リハーサルの時にはセリフの後どのくらいの時間で、照明をあてるか綿密に何回もやり直す場面もあった。リハーサルのときでも休みなくセリフを言い続けるのは難しいことだと思う。これらの、劇を演奏に加えた器楽部のクオリティの高さが私の想像を超えたもののひとつである。

もう一つ、挙げられるのは地域の方々とのつながりだ。器楽部の定期演奏会は志木駅から歩いて15分ほどのパルシティという会場で行われる。リハーサルが終わりホールをでると演奏の始まる1時間以上前にも拘らず、会場の外で器楽部の演奏を見ようとする人たちが多く待っていた。この時は待っている人が多いことに驚いただけであったが、本番の演奏を見て多くの人が待つ理由がわかる気がした。器楽部というと、楽器の演奏というイメージが強く、前述したようにそのイメージを覆す劇は圧巻だった。ただ、それだけでなく地域の方にも親しみやすいように、笑いの要素も入れた劇であったことも書いておきたい。劇に出た部員たちは幼稚園児や豚、泥棒などになりきって多くの観客の前で演じていた。沢山の観客の前でスポットライトを浴びて演じきるというのは、恥ずかしがりの私には到底できそうにない。しかし、器楽部の部員は堂々と自らの役を演じていた。本番の演奏が終わった後の会場は多くの人であふれており、中には演じた役の名前で器楽部員を呼んでいる人などもいた。こうしたことからして、器楽部の演奏が親しみやすいものであり、日頃からの感謝を演奏という形で表しているということがわかる。地域の人との温かみに満ちた演奏会に私は驚いた。

定期演奏会は地域の方々への感謝を表していると書いたが、同時に卒業してしまう3年生への感謝も表していると感じた。器楽部の3年生はこの定期演奏会が、最後の演奏会となる。

劇では卒業する3年生も出てきて、私は今年初めて来たのでわからないが、3年生と観客との繋がりを感じた。地域の人々との繋がりを大事にしていたからこそ、3年間の集大成を表す場で多くの人に見てもらうことができたのだと、講釈を垂れるようだが言わせてもらう。

志木高には様々な種類の部活があり、どの部活もそれぞれ有意義に時間を過ごしていると思う。器楽部は完成度の高い演奏をすることで、観に来てくれた人に感謝し感謝されるような部活だとわかった。以上のことから、器楽部は感謝に溢れた幸せな部活だと私は思った。器楽部の演奏や演奏会後の様子を見てもらえばわかると思う。彼らの音楽を是非一度観に行ってはどうだろうか。

(2年D組 根本 洋太)