昨年度、数学Ⅰの授業(蒲田先生担当クラス)で課題として取り組んだ第15回「和算に挑戦」(中級の部)で、本校2年の鳥井一生君と榎本光晴君が優秀賞を、同じく第19回 算額をつくろうコンクールで、本校2年の後藤龍星君が銅賞・吉田光由賞を受賞しました。

 第15回「和算に挑戦」は、岩手県・一関市博物館の主催で、3月5日(日)に同博物館で表彰式が行われました。「和算に挑戦」での本校生徒の入賞は三年連続です。

 第19回 算額をつくろうコンクールは、NPO法人和算を普及する会の主催で、3月19日(日)に江戸東京博物館で表彰式が行われました。このコンクールへの応募は、昨年度が初めての試みでした。以下、受賞した3人が寄せてくれたコメントを紹介します。

鳥井一生君

《和算に挑戦して》 先人の知恵に感嘆しました。後日調べて見たところ、算額は当時の農民や百姓の方々の「娯楽」だったようで、昔から数学とぼくたちは身近な関係にあったということを知ってなんだか嬉しくなりました。

《表彰式》 当日は体調不良で行けませんでした。まさに千載一遇のチャンスを逃した、という気持ちです。一関にも行ってみたかったので残念係数は累乗されました。いつか東北に行く機会があれば、一関によってみようと思います。

《今後の展望》 学校の数学のテストの点数がひどいのでもっと勉強するようにします。しかし、そういったことに囚われずに、身近なシーンで数学が使えたり、今回の算額コンクールのようなイベントに参加したりと、もっと数学が好きになるような取り組みをしていきたいです。

榎本光晴君

 全国から多くの応募があった中、まさか自分が優秀賞に選ばれるとは思っていなかったので、驚きが半分、嬉しさも半分あります。表彰式後は算額の飾られている神社の見学会にも参加し、和算の歴史と奥深さをひしひしと感じました。
 和算を解くには、粘り強く考える力ももちろん必要ですが,一つの事象をさまざまな角度から捉える力や、自分の考察内容を簡潔にまとめて採点者に伝える力も必要になります。そういった意味で、今回のこの課題は非常に有意義だったと思います。

後藤龍星君

《和算を作ってみて》 普段は回答者側の自分が実際に問題を作成するというのは存外難しく感じました。他の受賞者の多くが出題した幾何学的な問題に比べて、取り分け私が挑戦した条件整理問題は、回答者が解答を導く際の種々雑多なプロセスを把握した上で、難易度を見極めてどのプロセスで解かせるのか、またそれに合わせて与える条件を変えたりと、かなり試行錯誤が要りました。さらに多くの人が取っ掛かりやすいように、散髪店のシフトを主題にしました。

《受賞して》 受賞の一報を聞いた時には受賞の喜び以上に、自分の問題の意図をしっかり読み取ってもらえたという事への手応えの方が強く湧き上がってきました。それと同時に、随分と手を焼き、悪戦苦闘した努力が最高の形で報われたという事への達成感も感じました。スケジュールの都合上授賞式に出席することは叶いませんでしたが、非常に貴重な体験が出来たので今回培った数学的帰納法を今後も理系科目に捉われず様々な場面で応用させたいです。