新潮社主催「第5回 中高生のためのワタシの一行大賞」の受賞者が発表され、本校から2年の平田光君の作品が優秀賞をいただきました。このコンクールは新潮文庫の対象図書の中から「こころに残った一行」を選び、その一行に関する思いやエピソードをつづる、という読書エッセイコンクールです。平田君の選んだのは夏目漱石の『三四郎』の、次の一行でした。 

「自分の世界と、現実の世界は一つ平面に並んでおりながら、どこも接触していない。」

  登場人物の三四郎の気持ちに自己を重ねた平田君のエッセイ。応募総数2万通を超える高い倍率の中、見事大賞に準ずる評価をいただきました。選考委員の作家・角田光代氏からはこんなコメントが寄せられました。

「短い小説のような研ぎ澄まされた文章で、今だからこそ強く感じる孤独感について、描いている。短い文章で、読み手にぱっとうつくしい光景を見せる平田さんの文章力に惹かれた。」

  日頃から読書に親しんでいる平田君は、この経験を通していっそう読書に熱が入ることと思います。この場をお借りして、栄えある賞を授けてくださった新潮社と、選出してくださり、コメントを寄せてくださった角田光代氏に深く感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。 

*詳しくは新潮社PR誌『波』1月号または新潮社のホームページをご覧ください。