A・B・C・G組の「糸魚川入りコース」、D・E・F・H組の「諏訪入りコース」に分かれ、それぞれ2022年9月27~29日、9月28~30日の2泊3日で研修旅行を行いました。2年間、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、中止もしくは県内巡検の別メニューで行ってきたものをようやく訪問地を元に戻すところまでこぎつけたものです。第2学年の研修旅行は、長野県諏訪周辺と新潟県糸魚川周辺で行う理科研修で、諏訪湖・仁科三湖の水質調査と環境学習、フォッサマグナを軸にした日本列島形成地史の検討を中心に学びを重ねました。実施内容については、糸魚川入りコースについて旅程を通して紹介します。

 東京駅を出発した北陸新幹線の中では、感染予防のために基本的に会話を控えたまま糸魚川駅に到着。3つの見学地をローテーションで見学しました。フォッサマグナミュージアムでは竹之内耕館長より、フォッサマグナと日本列島の形成について講話を頂きました。この方はNHKの「ブラタモリ...糸魚川編」にも出演されました。月不見の池では、かつての海底火山が地滑りにより大規模に移動した現場を見学しました。そして、フォッサマグナパークでは、「糸魚川-静岡構造線」と呼ばれる日本を東西に分ける大断層を見学。その断層を境に広がる地質の変化から、日本列島の形成過程を検証しました。

 諏訪への移動途中では、仁科三湖(青木湖・中綱湖・木崎湖)でサンプルを採水。昼食に立ち寄った大王わさび農園でも同様に採水を行いました。採取した水は、ホテルの会場を貸し切り、さまざまな水質データを取得しました。諏訪湖では、まず立石公園(アニメ「君の名は」のロケ地と考えられているところ)で湖全体を俯瞰。その後、ボートで湖の中央部の採水を行うと同時に、天竜川の起点となる釜口水門でも採水し、湖の浄化程度を確認しました。

 最終日は諏訪大社に詣でた後、野辺山天文台を訪ね、日本最大規模の電波望遠鏡を見学して、茅野駅から新宿駅に向けて帰路につきました。

 現2年生は、中学時代から旅行等の制限がかかっていた世代で、学年規模の集団生活はほぼ初めて、という状態でした。事前の注意を重ねて臨んだ本番でしたが、理科の研修という教科主導の行事でありながらも、ホテルでは友人たちと親交を育んで楽しんだようです。
 来年度は、COVID-19の感染拡大状況がより一層の落ち着きを見せ、従来の3泊4日行程が復活できることを切に望んでいます。