台湾・台北市にある薇閣雙語高級中學(Taipei Wego Private Senior High School、以下Wego)との国際交流は、今年で10回目を迎えました。

 7月1日(火)から7月7日(月)にかけて、Wegoから生徒9名、教員4名、そして校長先生ご夫妻が来日しました。滞在中、Wegoの生徒たちはクラスマッチや授業に参加し、多くの志木高生と交流しました。特に、柔道の授業や浴衣の着付け、3年選択社会Aクラスによる茶道体験、放課後の弓術・剣道体験は大変好評で、日本文化を存分に味わう充実した時間となりました。また、昨年度・今年度の国際交流プログラム参加生徒が中心となり企画した「Welcome Event」では、日本の遊びを一緒に楽しむことをコンセプトに交流を深め、最後には全員で肩を組んで慶應義塾の「若き血」を歌いました。

 今年度のフィールドワークは「浮世絵」をテーマに行いました。まず、芸術科の中根先生から浮世絵を楽しむための鑑賞ポイントを事前に学び、志木高生がWego生に英語で解説役を務めました。その後、角川武蔵野ミュージアム「体感型デジタルアート劇場 浮世絵 RE:BORN展」や、すみだ北斎美術館の企画展「あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~」を訪問し、浮世絵が描かれた当時の流行や暮らし、日本の風景について理解を深めました。

 Wegoの教員は、慶應義塾中等部・普通部、慶應義塾大学の三田・日吉キャンパスを訪問しました。日吉キャンパスでは、昨年度のWegoとの国際交流プログラムに参加した卒業生(現大学1年生)が案内役を務めました。さらに、慶應義塾大学に在学中のWego卒業生とも偶然再会するという嬉しい出来事もあり、その学生は今回の訪問団のWego教員がかつて担任を務めた教え子でした。

 今回の交流は、プログラムに参加した生徒や交流の機会を得た多くの志木高生だけでなく、両校の教職員にとっても、つながりをより強く感じる貴重な機会となりました。また、志木高生の家庭で行われたホームステイでは、各ご家庭の手厚いサポートのおかげで、生徒の保護者や兄弟姉妹とも心温まる交流が生まれました。ホームステイにご協力いただいた皆様には、心より感謝申し上げます。

 9月上旬には志木高生9名が、緊張と期待を胸に台湾を訪問する予定です。

ホームステイ受け入れ後の生徒の感想(9月)

 私は以前、中国にホームステイで訪れたことはありましたが、受け入れをするのは初めてだったため、文化面や言語面でとても不安がありました。しかし、来日前にパートナーのJamesと家族でビデオ通話をする機会があり、少し緊張がほぐれました。

 Jamesとの会話では、自分の言葉が伝わるか不安でしたが、彼はとても話しやすく、英語も上手だったので、話していてとても楽しかったです。お互いの学校などについて話し、Wegoの学校生活についても知ることができ、とても興味深かったです。

 また、彼は日本語を熱心に勉強していて、日本語の発音などを質問してきました。私の両親とは日本語でコミュニケーションをとってくれていました。日本の文化にも関心を持ってくれており、甚兵衛をプレゼントしたり、天然温泉へ行ったりもしました。初めての体験に対しても心から楽しもうとしてくれたように思います。学校で体験した弓道も、楽しんでくれたようです。

 当初は「日本文化を楽しんでもらおう」と意気込んでいましたが、実際には彼との交流を通じて、自分自身が改めて日本の良さに気づかされる日々でした。Jamesと深く交流し、お互いのことを知ることができたことが、特に嬉しかったです。この経験を経て、国際交流への関心がより強まり、そのための言語にも興味を持ちました。9月に台湾に行くまでの間に、少しでも中国語を話せるよう勉強したいと思います。

(3年 酒井英明)