2026年7月17日(金)、慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールにおいて、第140回志木演説会が開催されました。今回は、本校OBの宮井弘之氏(株式会社博報堂)を講師にお迎えし、「バカにされたらありがとう~人の行く裏に道あり花の山~」を演題に、ご講演いただきました。

 講演は、志木高水泳部時代や同期との同窓会の写真をスクリーンに映し出しながらの自己紹介で始まりました。続いて、「洞察(目の前の常識の裏側を読み、まだ誰も気づいていない可能性を浮かび上がらせる行為)」という技術の面白さについて、「表の常識」と「裏の洞察」を組み合わせ、一般的な常識をあえて逆転させた「洞察命題」を例に挙げながら、その考え方を紹介してくださいました。

 「やりたいことは何ですか? 将来の夢は何ですか? やりたいことは、今なくていい。」という「洞察命題」とともに、まずは動き続けることで経験を積み重ね、その積み重ねが次の自分をつくる「プラプラ期」の大切さについて、お話しいただきました。

 また、「私が成功したのは、直感のおかげです。 直感に、従うな。」という「洞察命題」を通して、やりたい・ピンとくるという願望を疑い、不安やひっかかりといった身体のセンサーを信じ、「なぜ不安なのか」を自分自身に問いかけることの重要性についても語られました。

さらに、

  • オリジナルでありなさい。人と違うことはいいことです。 二番煎じが、おいしい。」
  • 量より質。効率よく、頭を使いなさい。 量が、質を生む。」
  • 苦手を克服しなさい。あなたの課題はこれです。 弱みに、徹しろ。」
  • 慶應ブランドを活かして。せっかく慶應に入ったのだから。 一隅を、照らせ。」
  • 思い切って踏み出しなさい。やってみなければわからない。 度胸は、いらない。」
  • 素人がそんなことを言っていると、バカにされるぞ。 バカにされたら、ありがとう!」
といった数々の「洞察命題」について、テスト効果、批判的思考、認知的不協和、量質転化、最澄『山家学生式』、千利休の歌などの学問的な裏付けを交えながら解説してくださり、生徒たちの理解をより一層深める講演となりました。

 約1時間の講演後には、生徒たちによる挙手形式の質疑応答にも30分以上にわたって応じてくださいました。さらに、閉会後も会場に残った熱意ある生徒一人ひとりの質問に真摯に耳を傾け、一つひとつに丁寧に答えてくださる姿が印象的でした。講演とその後の交流を通じて、「慶應志木の先輩・後輩」という絆の強さを改めて実感する機会となった志木演説会でした。

 講演翌日には、宮井氏から志木高生に向けて、次のような応援メッセージも寄せられました。

 志木高に入学したことは、私にとって人生最良の選択でした。回り道も寄り道も恐れないでください----その一つひとつが、いつか思わぬところで一本の線に繋がります。 皆さんの無限の可能性を、のびやかに育んでください。

 次回、第141回志木演説会は、2026年12月に開催予定です。