3年生は9月30日(水)から10月3日(土)まで、例年通り3泊4日で、東北地方へ見学旅行に行きました。1班(ABC組)は岩手県の平泉や花巻から南三陸・仙台・山形を巡り、2班(DEF組)はその逆で、山形から仙台・南三陸・花巻・平泉を巡る行程です。以下、1班を中心に報告します。
まず、旅行前日の9月29日(火)には、学年行事を実施しました。旅行では、東日本大震災で多くの児童・教職員が犠牲となった石巻市の大川小学校を訪れるため、その事前学習として、3年生全員でドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)を鑑賞しました。さらに、長年現地で取材を続けていらっしゃる毎日新聞石巻通信部記者の百武信幸氏をお招きし、上映後に現場のお話を伺いました。
そして旅行初日。東京駅から新幹線で岩手県へ向かい、世界遺産でもある平泉の中尊寺を参拝しました。今年は中尊寺落慶900年にあたり、10年ぶりに秘仏「一字金輪佛頂尊坐像」が公開されていました。境内での自由行動の時間を利用して、秘仏を拝観する生徒の姿も多く見られました。その後は花巻市に移動し、宮沢賢治記念館、高村光太郎記念館・高村山荘、「雨ニモマケズ」詩碑などを訪れ、文学散歩を楽しみました。
初日の夕食後には、花巻の郷土芸能「鹿踊(ししおどり)」を鑑賞しました。鹿踊は毎年披露していただいていますが、今年度は公演時間を長めに設け、踊りの鑑賞に加えて、演者の方々のお話を伺ったり、生徒が実際に装束を身につけ、踊りの所作を教わったりする体験型の企画としました。地域に受け継がれてきた伝統の芸能について、その担い手の方々の想いを聞き、直接交流する貴重な時間となりました。
2日目は宮城県へ移動し、「海岸線の美術館(巨大防潮堤に壁画を描くプロジェクト)」や東日本大震災の震災遺構を訪れました。大川小学校では、お子様を亡くされたご遺族の方々に校舎や周辺を案内していただきながら、当時の様子についてお話を伺いました。旅行前日にドキュメンタリー映画を鑑賞し、事前に学習していた生徒たちは、現地でどんなことを感じたのでしょう。ご遺族の言葉を真剣に受け止め、ガイドが終了した後も個別に質問をする生徒の姿も見られました。一人ひとりが命の重みや防災、震災の記憶を受け継ぐことについて、深く考える機会となったようです。
その日の午後は、志津川湾の漁港にて、カキ養殖に用いる採苗器づくりを体験しました。また、南三陸町自然環境活用センターでは、ラムサール条約登録湿地である志津川湾の生態系やブルーカーボンについて講義を受けました。センターには数多くの海の生き物たちが展示されており、見学時間の終了間際まで熱心に観察していた生徒もいました。この日は震災について学ぶとともに、地域の自然環境や産業への理解が進んだ一日でした。
3日目は仙台市内での自主研修です。生徒たちは事前に立てた計画に沿って、それぞれの目的地を巡りました。今年9月、関東地方は雨天が続いていましたが、旅行中、東北では連日好天に恵まれました。寒さに備えて上着を持参するよう伝えていたものの、日中は暖かく、生徒たちは自主研修を存分に楽しんでいたようです。
最終日は山形へ向かい、松尾芭蕉の『おくのほそ道』でも知られる宝珠山立石寺を訪れました。その後は自由行動の時間を取り、各自で山形県郷土館、山形城跡、山形県立博物館などを巡り、山形の歴史や文化に触れました。
4日間を通して、東北各地の歴史や文学、自然、文化に触れる充実した見学旅行となりました。高校生活最後の学年旅行として、仲間たちとともに多くを学び、たくさんの思い出もできたことでしょう。
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