9月15日(火)~21日(月)の1週間、2年生5名、3年生5名の計10名の生徒と3名の引率教員が台湾の薇閣雙語高級中學(Taipei Wego Private Bilingual Senior High School, 以下Wego)を訪問し国際交流を行いました。

 初日、台北の中心にある松山空港に到着した後、松山文化創意園區を訪ねました。ここはかつて煙草工場だった所ですが、現在は残存している古い建物を利用しながら、「文化創意」というテーマのもと、様々な文化活動が行われています。我々が訪ねた日は、デザインに関する様々な展示が行われていました。志木高の生徒達はWegoのホストステューデント達と共に松山文化創意園區を楽しそうに散策していました。

 夜、李傳洪董事長(注:「董事長」は日本語の「理事長」にあたる)主催の歓迎ディナー及びセレモニーが、台北市内のホテルで行われ、Wegoの教職員、ホストステューデントとその家族など多くの方々から熱烈な歓迎をして頂きました。志木高の生徒達は熱烈な歓迎ぶりに驚いていました。

 翌16日の午前中は、ホストステューデントによるキャンパス案内の後、交流担当の程蘭惠(英語名Nancy)先生の授業を受けている生徒達とホストステューデント達による歓迎会が行われました。ホストステューデント達によって作成された歓迎ビデオを鑑賞した後、風船割り、輪投げなど手作りの催し物を楽しみました。歓迎会の後、ホストステューデントの授業に参加しました。参加した授業は英語で行われる世界史、地理、台湾人の先生による漢詩、数学などでしたが、授業のレベルの高さに志木高生は一様に刺激を受けたようでした。

 午後は、ホストステューデントと共に国立故宮博物院と台北101を訪ね、中華圏の文化と台北に関する理解を深めました。夕方は台北で一番大きい士林夜市へ繰り出し、屋台で地元の食事を満喫しました。

 17日~18日は、マウンテンプログラムに参加しました。マウンテンプログラムが行われる場所は雨がよく降る所なのですが、プログラムが行われている時は天気に恵まれ、ホストステューデントと共に、専門の教員の指導の下、オリエンテーリング、竹伐り、竹細工、野外ゲーム、夜間ハイキングなどを体験しました。夕食はWegoの生徒達と共に作った餃子を食べ、夜は自分達で建てたテントで過ごし、消灯の時間まで仲間との団欒を楽しみました。

 19、20日は週末なので授業はお休みです。ホストステューデントと共に19日は、遊園地、動物園、プールが備わった台湾一のアミュージメントパーク「六福村」でたっぷり楽しんだ後、台湾のベニスと言われている「淡水」を散策して美しい街並みを満喫していました。20日は、まずバスに乗って「野柳地質公園」へ向かいました。ここは台北から日帰りで訪ねることが出来る有名な観光スポットです。「野柳地質公園」の奇岩は世界奇観の一つとされています。そして、海岸が延びている方向と地層及び構造線の方向は、ほぼ垂直状態となっています。その上、海水による侵食、岩石の風化、海と陸の相対的な運動、地殻の運動などの地質作用の影響で、珍しい地形が形成されました。そこを歩きながら生徒達は様々な岩の写真を撮っていました。この後、またバスに乗って「九份」へ行きました。ここは「千と千尋の神隠し」のワンシーンのモデルとなった街で、街の高台から見える美しい景色や地元の美味しい食事を堪能しました。夜は台湾の渋谷と呼ばれている若者の街、「西門町」を散策しました。街頭のディスプレイで日本の商品を見つけたりして、生徒達は「九份」や「淡水」では感じられない街の雰囲気を楽しんでいました。

 最終日の21日の朝、校庭で行われた全校集会に招待され、我々の来訪団に向けて、30人位のWegoの生徒が美しい歌を披露してくれました。李光倫校長先生はこの交流事業の素晴らしさを全校生徒に対してお話しになり、それを聞いて我々は皆このプログラムの重要性を改めて感じさせられたのでした。

 全校集会後、フェアウェルパーティが図書館で催されました。全員でゲームをしたり、ホストステューデントの演奏を聞いたりして親交を深めました。

 パーティ終了後、バスで松山空港へ移動しました。フェアウェルパーティの最中からバスの中まで限られた時間を惜しむかのように、両校の生徒達は互いに写真を撮りあったり、交換ノートにメッセージを交換しあったりしていました。松山空港に着いても出国手続きの直前までは、ホストステューデントも志木高生も楽しそうに談笑していましたが、いざ出国手続きが済んで別れの時となると、お互い感極まるものがあったのでしょう。ホストステューデントも志木高生も思わず涙を眼にためて、またの日の再会を約束してお別れとなったのでした。

台湾短期留学プログラム参加者の声

台湾ホームステイの一週間

 僕の台湾ホームステイの目的は自分の英語の会話力を上げるというものでしたが、いざ台湾についてみるとWegoの生徒たちが暖かく出迎え、たくさんのおいしい料理をごちそうしてくれました。その後に淡水やナイトマーケットなどに行くなどたくさんの経験をし、そしてその時々での会話などを実践することができて当初の目的を十分にかなえることができました。また台湾の文化にじかに触れられるような体験ができて、とても勉強になりました。そしてWegoの生徒たちと作ったたくさんの思い出が僕が台湾に行ってよかったという一番の理由です。たくさんの場所に観光に行ってそして皆といろいろな話をしながら写真を撮って思い出を残したり、移動中のバスの中では台湾と日本それぞれのゲームをお互いに教えあいながら楽しんでいました。このような時間をすごした後に最終日に別れをみんなに告げるのはとても寂しく悲しいことでした。僕は学校内ではまだ涙をこらえることができましたがいざバスに乗ると別れの実感が急にきて我慢できませんでした。たった一週間でしたが、このような体験は僕の一生の宝物になりました。

 忘れてはいけないのはこのような企画を支えてくださった人たちに対する感謝の気持ちだと私は思います。移動のバスを用意してくれたのもホームステイ先として自分たちの家の部屋を提供してくれたのも全部このような人たちの尽力によるものです。僕のホームステイ先のジョセリーンの家族はジョセリーン以外英語をほとんどしゃべることができない人たちでした。そのような状態でも彼女たちは頑張ってジェスチャーなどを交えて僕に自分の言いたいことを伝えようとしてくれました。僕はそれにとても感動しました。このような感謝の気持ちは今後生きていく中でも大切にしなければならないことだと私は思います。英語力を向上させることができ、またその地の文化に触れ、そして交流を深めることができたこの企画に参加できて本当に良かったと思います。

(3年 織山峻太郎君)