7月18日(火)から3泊4日の日程で、恒例の志木の森ツアーが実施されました。以下に、志木の森運営委員会委員長の田中秀磨君(3年)による報告を掲げます。

 7月18日(火)から21日(金)にかけて夏の志木の森ツアーが開催されました。参加生徒は1年生4名、2年生3名、3年生20名の計27名でした。今回は事前の申請の時点で50名を超える申請があったほど大人気なツアーとなりました。また天気もとても良好で、充実したツアーとなりました。

 初日は新幹線などを用いて津駅まで行き、伊賀上野城、忍者博物館、伊賀鉄道にて観光しました。その後三重森づくりサポートセンターへ向かいました。伊賀では「郵便局の木」であるタラヨウの葉が配られました。この葉は傷をつけることでインクや墨を使わなくても文字が書けます。私たちは各自この葉に俳句を書きました。また「伊賀鉄道」では「木育トレイン」という、室内に三重の様々な木材を用いた電車に乗りました。ここではラベンダーの香りで満たされた「アロマ&フラワートレイン」に特別に乗ることができました。次の「三重森づくりサポートセンター」では森についての講義のあと、キノコを栽培している「キノコ館」を見せていただきました。「キノコ館」には多種多様なキノコがあり、その一部を2日目・3日目の料理に使うために分けていただきました。その後、一路バスで宿舎である「語らいの里噺野」へ向かいました。

 2日目はまず志木の森深山に向かいました。そこでいつもコーディネーターを務めてくださっている吉田正木さん(塾員・吉田本家山林部代表)による森についての講義を受けました。その後ヒノキの胸高直径などを測定しました。次に志木の森里山に向かい、木々の樹高や春の志木の森ツアーで植樹した場所の下草刈りなどを行いました。午後からは世界遺産に登録された熊野古道の一部である「ツヅラド峠」にてハイキングを行いました。険しい山道でしたが森の美しさを堪能することができました。「語らいの里噺野」に戻った後は初日にもらったキノコや鹿肉を用いたカレーを作りました。

 3日目はまず里山に向かいました。そこでは約10年ぶりになる標本づくりを行いました。これまで標本が作られていない場所を中心に調査をしました。葉から植物を同定する行為は特に物理・化学選択者にとっては珍しい体験になったのではないでしょうか。その後志木森恒例の瀧原宮(皇大神宮(伊勢神宮内宮)の別宮のひとつ)に参拝しました。午後からはカヌー班とサイクリング班に分かれレクリエーションを行いました。カヌーを行ったダム湖は現在、水の放出を行っておらず大分水位が高くなっていました。そのため木々が水につかっているといった神秘的な光景を目にすることができました。その後、宿舎へ戻り鹿肉やキノコのバーベキューを行いました。お米は生徒自ら飯盒を用いて炊きました。このときの調理はすべて木炭や薪を用いて行いました。ガスや電気を用いない調理は現代に生きる私たちにとって、貴重な経験ではないでしょうか。

 最終日は「鳥羽海の博物館」に向かいました。学芸員さんによる簡単な説明の後、散会し三重の海について知識を深めることができました。この「鳥羽海の博物館」から鳥羽駅に向かう道中で海に浮かぶ「いかだ」を見かけました。志木の森の木もあと数年したら、いかだ用などに出荷できるそうです。そのころには私たちは高校を卒業しているでしょうが、その時が楽しみで仕方ありません。

 以上が今回の志木の森ツアーの行程です。次回の志木の森ツアーは春季休業中を予定しています。普段の日常では決して味わうことのできない体験があなたを待っています。

 ぜひ志木の森ツアーに参加されてはいかがでしょうか。