2020年10月14日(水)、本校体育館において、第128回志木演説会が開催されました。本来、例年のように7月に慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールにて行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期となり、本校体育館において三密回避などの感染対策をとりながら、学年ごとに分かれて三度ご講演いただく形で、ようやく開催することができました。

 今回は、慶應義塾大学理工学部教授の枇々木規雄氏を講師にお迎えし、「数理技術でお金を科学する ~金融工学への招待~」という演題でご講演いただきました。

 講演の冒頭、本校の卒業生でもある枇々木氏は、受験生時代の話、志木高生時代の授業やソフトテニス部の思い出話、大学進学後に研究職を目指すに至るまでの経緯の話をしてくださいました。それは、同じく本校および慶應義塾においてこれから学部選択・進路選択をしていく生徒たちにとって、とても貴重なものでした。

 現代社会において、より豊かな人生を過ごすためには、住宅資金や資産形成、年金などの「お金」に関する知識を持つことが必要です。また、銀行や保険会社や証券会社などの金融機関は、複雑なリスクに対応しつつ経営する必要があります。金融工学は、それら金融市場や金融取引における様々な問題に対して、工学的な手法を用いて解決を試みる学問分野です。講演では、住宅ローン、資産運用、リスク管理、家計ファイナンスなどを例に挙げながらご説明くださいました。これから経済的に自立していく生徒たちにとって、自らの人生設計に直接関わる「お金」の問題について学ぶ貴重な機会となりました。

 講演後の質疑応答の時間も、学年ごとに設けていただきました。ある生徒から、AIと金融の関わりなどについても理工学部で学べるかという質問がありました。枇々木氏より、理工学部はそのような分野を学びたい生徒にも向いている学部だとのお答えを頂き、生徒は自らの進路希望について自信を持つことができました。

 次回の第129回志木演説会は2020年12月を予定しています。