台湾台北市にある薇閣雙語高級中學(Taipei Wego Private Bilingual Senior High School、以下Wego)との国際交流も今年で9回目を迎えました。コロナ禍の影響で対面での交流は2019年を最後に中断していましたが、昨年度のオンライン交流を経て、ついに対面での交流が再開されました。

 7月上旬にはWegoから生徒7名と教員2名が来日し、9月上旬には本校の生徒7名(3年生4名、2年生3名)と引率教員2名がWegoを訪問しました。

 7月2日(火)~7月8日(月)の期間中、Wegoの生徒たちは本校の授業や部活動、クラスマッチに参加し、充実した時間を過ごしました。また、東京観光や横浜開港の歴史を学ぶフィールドワークにも参加しました。これらの交流は、プログラムに参加した生徒だけでなく、多くの志木高生にとっても海外とのつながりを身近に感じる貴重な機会となりました。さらに、志木高生徒の家庭でのホームステイでは、心温まる交流が生まれ、絆がより一層深まりました。ホームステイにご協力いただいたご家庭の皆様には、心より感謝申し上げます。

 9月2日(月)~9月8日(日)には、本校の生徒が台湾を訪れ、ホームステイを体験しました。Wegoの活気あふれる校風の中で、英語や漢詩の授業を受け、台北・陽明山にあるWegoの施設でのマウンテンプログラムにも参加しました。竹伐りや竹での食器作り、夜間ハイキングなど、専門の教員による指導のもとで充実した活動を行いました。夕食には自分たちで作った餃子を味わい、夜は自分たちで建てたテントで宿泊し、友情を深める貴重な体験となりました。そのほか、台北101や国立故宮博物院、野柳地質公園、九份、夜市なども訪れ、多くの思い出を共有することができました。

 初めての海外経験となった生徒もおり、ホームステイや英語でのコミュニケーションに不安を感じていた様子も見られましたが、交流を重ねる中で次第に打ち解け、楽しそうに活動に参加する姿が印象的でした。お互いの国への旅行は簡単にできるかもしれませんが、真の異文化体験は簡単に得られるものではありません。たくさんの食事やイベントを用意してくださり、文化的な慣習や暗黙の社会ルールまでをも教えてくださったホストファミリーやWegoの先生方の丁寧なサポートと温かいおもてなしのおかげで、かけがえのない経験を得ることができました。

 受け入れと訪問の計14日間で得た学びと経験は、参加したすべての生徒にとって大切な財産になることでしょう。Wegoとの関係がこれからも続き、さらに深まることを願っています。

ホームステイ受け入れ後の生徒の感想(7月)

 今回の台湾交流を通して私が学んだことは、「出会いが人をつくる!」ということです。 文化や言語が異なる台湾の学生たち。そんな彼らと共に過ごした1週間は、私の人生に大きな影響を与えてくれました。

 相手の言語と文化を知る。国際交流をする上で基本となることですが、改めてこの重要性を感じました。台湾は日本とも関わりが深く、大陸とも複雑な関係を持っている国です。

 しかし、台湾の人々の歴史を知っている人は日本に多くありません。台湾というより、海外の歴史に対して深く理解をしている日本人はあまり多くはないように感じます。しかし今回、台湾の学生と自国の歴史や台湾の歴史について互いに話す機会が多く、歴史を学ぶことの重要性に改めて気づきました。また、英語や台湾語をもっと話せるようになれば、自分が伝えたいことをより細かく伝えることができるようになると感じました。

 このような素晴らしい気づきを与えてくれた台湾の友人たちとは、これからも一生の友として末長く付き合っていきたいです。そして、私自身も周りの人に対して気づきや喜びを与えていけるような人間へと成長していきたいと思いました。

台湾訪問後の生徒の感想(9月)

 私は3年間、この台湾プログラムに参加してきました。そして今回、実際に台湾に行って、多くのことを学びました。ただ改めて振り返ってみても、このプログラムで得た一番の収穫は、素晴らしい友人たちとの出会いです。

 台湾の友人たちと過ごした7日間は、あっという間のようで、長いようで、本当に魔法の国に行っているような感覚でした。日本に帰った今、私の一番の目標は、台湾の友人達と中国語で話せるようになることです。

 慶應志木高校に入学してから、多くの経験を通して成長を感じた3年間でしたが、この台湾交流プログラムは特に大きな影響を私に与えてくれたと思います。「学ぶ」ということの本当の意味、そして慶應義塾が大切とする「実学」。言葉では理解しづらいこれらの意味を私に教えてくれたのは、台湾の友人達と毎日会話し、共に笑い、困難を乗り越え、協力し合った夢のような7日間であったと確信しています。

 この素晴らしい絆と体験をこれからも大切にし、自ら未来を開拓していきたいと思っています。現役志木高生、そして将来の志木高生、あなたの未来を変える出会いがこのプログラムにはあります。不安がらずに、ぜひ参加してください!

(3年 山本航太郎)

日本での交流の様子

台湾の交流の様子