8月24日(月)から9月2日(水)にかけて、本校の2・3年生12名が、フィンランド・トゥルク市のLuostarivuoren Lyseon lukio(ルオスタリヴオリ・ルシオン高校)を訪問するプログラムに参加しました。同校は、フィンランド最古の都市トゥルクにある共学の公立高校です。本校との交流は2015年に始まり、今回で6回目のプログラム実施となりました。

 本校では夏休み中の時期ですが、フィンランドではすでに新年度が始まっており、訪問時は第1期(1. periodi)の授業期間中でした。生徒たちはホストブラザーやホストシスターとともに授業や校外学習に参加し、放課後や週末にはホストファミリーと過ごすなど、さまざまな形でフィンランドの文化や学校生活に触れました。

 参加した授業では、志木高生がそれぞれの興味・関心をもとに、日本を紹介したり、日本とフィンランドを比較したりするプレゼンテーションの時間を設けていただきました。数か月にわたる準備の成果を発揮し、現地の生徒たちに自分の言葉で日本について伝える貴重な機会となりました。

 滞在中には、フィンランド式サウナやバーベキュー、フィンランド野球などを体験しました。また、トゥルク市内の博物館では、19世紀の庶民や職人の暮らし、伝統工芸、中世トゥルクの歴史について学びました。さらに、オルキルオト原子力発電所や、ユネスコ世界遺産に登録されているラウマ旧市街を訪れ、旅程の最後には首都ヘルシンキにも1泊しました。学校生活やホームステイにとどまらず、フィンランドの歴史、文化、産業、社会について幅広く理解を深める、充実した訪問となりました。

 また、8月27日には、本校教職員訪問団とともに「Study Abroad Partnership Declaration(留学協定書)」の調印式に出席しました。式は、創立100周年を迎えたLuostarivuoren Lyseon lukioの校舎で行われました。両校は、COVID-19パンデミックによる中断を挟みながらも、これまでに約140名の生徒と約15名の教職員が交流を重ねてきました。調印式には、両校の校長・主事・教職員、プログラム参加生徒のほか、トゥルク市の教育・国際交流関係者が出席しました。交流開始から10年という節目にこれまでの歩みを振り返るとともに、今後も両校の交流を継続し、プログラムをさらに充実・発展させていくことを確認しました。

 10月上旬には、Luostarivuoren Lyseon lukioから13名の生徒が本校を訪れ、ホームステイや学校生活を通じて再び交流を深める予定です。

フィンランド訪問後の生徒の感想

 フィンランドでのホームステイを一言で表すなら「新鮮」でした。また、日本との違いを、生活、食事、授業、文化、気候など様々な面で感じました。その中でも特に印象に残ったのが、人との交流でも生活でも、まず「試してみる」ことの大切さです。今回のホームステイを通して、実際に様々なことを試す中で、自分自身の成長も感じることができました。

 今回訪問したトゥルク市はフィンランドの南西部に位置し、気温は最高でも20℃程度で、とても過ごしやすく快適でしたが、フライトの到着時間が早朝であったことから、はじめは日本の夏との温度差に驚きました。フィンランドでの生活は日本と比較的似た規則正しい生活でした。学校での授業は大学の授業に似た履修制で、週5日、1コマ75分で一日に4コマの授業を受け、午後3時には学校が終わり、ホストとともに市内を観光するといったスケジュールでした。ただ、緯度の影響で日本よりも日没が遅く午後9時近くまで明るい中で活動していました。

 フィンランドの授業は、数学、英語などの基本的な科目だけでなく、心理学や環境など日本とは一風違った授業があり、新鮮でした。特にアートの時間には「クロッキー」というものを行い、自分を含めた2名の生徒がモデルを務めさせていただきました。また、各生徒が授業内でPowerPointを使用した日本文化についてのプレゼンテーションを行い、現地の生徒が日本に触れるきっかけになったことを願っています。

 放課後には観光や、その他のアクティビティを行いました。その中でも印象的なのは、2日目に訪れたトゥルクで有名な「ヤルヴェラ」というサウナ施設です。湖に面しており、サウナだけでなくBBQやビーチバレーを行うことができ、日没時にはきれいな景色を眺めることができました。普段体験できない場所でともに時間を過ごすことで、現地の生徒とも日本の生徒とも距離を縮めることができたと感じます。また、現地3日目の放課後には、現地の高校と慶應義塾志木高等学校の交流十周年を祝う調印式が行われ、志木高の生徒全員で塾歌を斉唱しました。こうした行事を通して、今回の交流が一度きりのものではなく、長年にわたって続いてきたものであることを実感しました。

 そして、休日には、プログラムに参加した全生徒でBBQをしながら、スウェーデンの発酵食品であるシュールストレミングを試す機会もありました。また別日には、それぞれがホストファミリーと休日を過ごし、中にはクルーズでオーランド諸島へ向かう生徒もいるなど、各家庭で思い思いの休日を過ごし、親睦を深めることができたように感じます。

 会話やコミュニケーションについては完璧な英語でなくても通じていたように感じます。お互いに英語のネイティブでないものの、フィンランドの方々の英語能力は高く、積極的に話し、アクティビティをともに行うことで距離が縮まっていったように感じます。ホストファミリーについても、どの家庭も親切で家庭仲が良く、アットホームな空間でコミュニケーションをとることができました。

 自分がこのホームステイで感じたことは、試すことの重要性です。様々なことを試すことで距離を縮めることができ、この交換留学プログラムに申し込んだことも一つの「試み」であったように感じます。そして10月初旬には自分たちがホームステイの受け入れを行います。今度は自分たちがフィンランドの生徒へ様々な体験の機会を設けて、日本について知ってもらい、「また行きたい」と思ってもらえるような受け入れを行おうと意気込んでいます。(2年 宮﨑渉)