6月29日(月)~7月5日(日)の7日間、台湾にある私立学校、薇閣雙語高級中学(Taipei Wego Private Bilingual Senior High School、以下Wego)の生徒10名と、引率教員1名が本校を訪問しました。

 初日には、まず慶應義塾大学三田キャンパスにて、Wegoの生徒・引率教員と本校ホストファミリーの対面式および歓迎セレモニーが行われました。Wego生徒とホストブラザー(本校生徒)は、事前にLINEで親睦を深めていましたが、ここで初めて実際に対面して互いに紹介され、本格的な交流が始まりました。訪問期間中は3名が本校2年生の家庭に、7名が本校3年生の家庭にそれぞれホームステイし、ホストファミリーのご協力のもと、日本の生活を体験しました。

 30日(火)、2年生の家庭にホームステイしている3名のWego生徒は、クラスマッチでソフトボールを体験しました。その後、3名は他の7名の生徒と合流して、ホストブラザー、それから9月に訪台する志木高生と一緒にカレーライスとサラダの2品を作りました。一緒に料理をして作ったものを食べることはWego生徒だけでなく、ホストブラザーにとってもいい思い出となったようです。

 午後、Wego生徒は全員、3年生の芸術鑑賞会(フラメンコ)に参加しました。Wego生徒にとってフラメンコを見るのは初めてで、踊り手のテクニックに魅了されていました。その後、Wego生徒は全員、本校弓道部員の協力のもと、弓道体験を楽しみました。

 1日(水)、3年生のクラスマッチは雨のため、映画鑑賞会に替えられました。映画を見ている間も、Wegoの生徒たちは志木高生に話しかけられ、彼らとの会話を楽しんでいました。又、2年生の家庭に滞在している3名のWego生徒は、ホストブラザーと一緒に雨のディズニーシ―を楽しみました。3年生の家庭に滞在しているWego生徒は映画観賞会終了後、ホストブラザーと一緒に東京ジョイポリスで様々なアトラクションを楽しみました。

 2日(木)、3日(金)の2日間、Wego生徒は本校の授業を体験しました。昨年度以上にWego生徒にも参加してもらう授業が増えた結果、この2日間の授業はWego生徒だけでなく、ホストブラザーが在籍しているクラスの志木高生にとっても印象に残るものになったのではないかと思います。

 3日の放課後、生徒会とホストブラザーの主催でFarewell Partyが開かれ、Wego生徒は卓球やゲームをしたり、一緒に歌ったりと志木高でのひと時を和やかに過ごしました。

 4日(土)、Wego生徒は歌舞伎教室(於 国立劇場)に参加しました。その後、ホストブラザーと一緒に東京スカイツリーに登って東京の景色を堪能しました。そして、浅草のホテルでホストマザーの協力のもと、浴衣に着替え、浅草の街を散策しました。

 この1週間は、ホストブラザーとなった志木高生やWego生徒にとって思い出深いものになったようで、7月5日の離日時には、羽田空港で別れを惜しんで涙する生徒たちの姿が見られました。Wego生徒の中には、卒業後、慶應義塾大学への留学を希望する方もおり、名残惜しそうに台湾への帰途につきました。

Wego生徒を受け入れた生徒の声:台湾との国際交流を終えて

 ホームステイの受け入れはめったにできないことだと思う。今回の貴重な体験を通して、日本・台湾間の文化的な違いや共通点、人の感性の類似点などを発見することができた。人という面で考えると両国は近しいものがあり、理解しやすい関係にあるのではないかと感じた。そこで今回はこれらの経験によって得たものに着目し、書き留めていこうと思う。

 まず語学力の差を大きく感じた。個人的に英語が苦手であるというのがこの差を大きく感じさせたのかもしれないが、Wego留学生の英語の水準はとても高く感じた。過去に英語を母語としている国の人とコミュニケーションをとったことがあるが、その時は英語を話すことができたらスムーズにこの人たちと会話ができて楽しいのだろうと思っていた。しかしWego留学生は母語に加えて英語を話していた。また、日本語を話せる生徒もいた。彼女たちが今までどのような環境下で生活してきて、どのような努力をしてあの語学力を手に入れたかはわからないが、レベルの高さに驚いた。

 今回は2、3歳年下の女の子にインスパイアされ、さらに語学力向上を志した。グローバル社会である今、必須なスキルだから、などの理由以前に、外国語を用いてさまざまな人とコミュニケーションをとりたいから語学力を高めたい、という思いを抱いた。

 今回の一連のプログラムで多くの友達を得た。まずはWego留学生である。みんな心優しい人たちで楽しい一週間を過ごすことができた。また、台湾に来たときは家に来なよと声をかけてくれた生徒もいて、彼女らもこの一週間を楽しく過ごしていたのだろうと思った。次にこの国際交流に携わった志木高生である。半数以上が顔も合わせたことのない人だったが、準備から協力する場面が多く打ち解けることができた。みんなそれぞれの意気込みでこのプログラムに参加していて良い刺激にもなった。

 この国際交流ではさまざまな収穫があった。いろいろな苦労もあったが、自分にとっても家族にとっても良い経験だったと思う。この一週間はたくさんのものを産み出してくれた。

(3年 上坂尚樹君)