宮橋 裕司

天文部40年、これまでとこれから

天文部は1973年に発足した「天文同好会」から始まり、40年という長い歴史を持ちます。20世紀、生徒は天体望遠鏡を担いで山を登り、天体写真を撮影し、自らフィルムを現像してパネルを作成していました。21世紀、校舎屋上から天体望遠鏡で木星を始めとする太陽系内の惑星、月、太陽黒点などを日常的に観察し、デジタルカメラで撮影しながら、2012年は金環蝕、2013年はアイソン彗星など一般的なニュースにも取り上げられるような天象も追いかけています。本校から肉眼で見える星は年々少なくなりつつありますが、そのような状況や曇天であっても活動ができるよう、2012年には電波望遠鏡を製作・設置しました。

このような活動の中で、初心者に天体望遠鏡の種類と使い方を教えたり、時にフィルムを使った天体写真の印画紙への焼き付け方法を伝えていったり、電波望遠鏡の製作をサポートしてみたり、Smartphoneなどのカメラ機能を使って思いつきで生徒が撮影した天体写真の意外な精度に驚いたり、教員としては「半学半教」を満喫させてもらっています。

年度末になり卒業生を送り出すと、一時的な部員の減少に一抹の寂しさを感じますが、それでも10名弱の生徒が必ず在籍し、また春になると新入生を迎えます。例年通り活動が続けられていることに感謝しつつ、このようなクラブが続いていることに現代の若者に対する希望を感じて観測のサポートを続ける日々です。

宮橋 裕司 (みやはし ひろし)
担当教科:理科  天文部部長 バレーボール部副部長

(2013年4月)